知覚過敏(象牙質知覚過敏症)について
「冷たいものがしみる」「歯ブラシが当たると痛い」
そんな”しみる”症状でお悩みではありませんか?
実は、歯科医院を受診される方の約4人に1人が、こうした知覚過敏(ちかくかびん)の症状を訴えています。
放置してしまうと、痛みが強くなったり、神経の治療が必要になることもあります。
早めに原因を見つけ、正しい対処をすることが大切です。
知覚過敏とは?
正式には「象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)」と呼ばれます。
これは、冷たいもの・熱いもの・歯ブラシの刺激・風・酸っぱい食べ物などの刺激により、一瞬”キーン”と鋭い痛みが出るのが特徴です。
むし歯や歯の神経の炎症(歯髄炎)とは違い、細菌が原因ではない点が特徴です。
知覚過敏の主な原因
歯の表面には「エナメル質」という硬い層があり、その下に「象牙質」という敏感な層があります。
何らかの理由でエナメル質が削れたり、歯ぐきが下がると、象牙質が露出して刺激を感じやすくなります。
主な原因は次の通りです。
- 🦠 歯周病による歯ぐきの後退(根元の露出)
- 🪥 強すぎるブラッシングでエナメル質が削れる
- 😬 食いしばり・歯ぎしりで歯がすり減る・欠ける
- 🍋 酸性の飲食物(炭酸・柑橘類・酢など)を頻繁に摂る
- 👵 加齢による自然な歯ぐきの後退
- 🦷 むし歯や歯のひび割れ
- 🧼 歯石除去後の一時的な露出によるしみ
診断と治療の流れ
知覚過敏は原因がさまざまで、診断が難しいこともあります。
そのため、問診や診査をしっかり行い、原因を特定していきます。
原因に対するアプローチ(予防・セルフケア)
- ① 正しい歯みがきの指導
- ② 生活習慣や食事内容の見直し
- ③ 必要に応じて内科的な治療(胃酸の逆流など)
- ④ しみ止め薬の塗布、セルフケア用品の処方
💡この段階で改善する方も多くいらっしゃいます。
症状が続く場合の治療
- ① しみ止めの薬の再塗布
- ② 歯の表面コーティング
- ③ フッ素・イオン導入・レーザー治療
- ④ ナイトガード(マウスピース)で歯ぎしり対策
さらに症状が続く場合
- ① 詰め物などによる歯の補修
- ② 噛み合わせの調整や不良な詰め物の修正
最終的な治療(神経の処置)
どうしても改善しない場合は、歯の神経を取る治療(抜髄)を行うこともあります。
これはあくまで最終手段であり、他の治療で効果が得られない場合のみ選択します。
早めの受診が大切です
「しみるけど、すぐ治るから大丈夫」と思って放置してしまうと、症状が悪化して強い痛みや神経の炎症に発展することもあります。
早めに原因を調べ、適切なケアを行うことで、しみる症状は改善できる可能性が高いです。
🏥気になる方は
お気軽にご相談ください
「最近冷たいものがしみる」
「歯ブラシの時に痛みを感じる」
そんな症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院では、原因を丁寧に調べ、できるだけ歯を削らない方法から順に治療を進めていきます。